受賞等の報告

研究員 佐藤 京が土木学会北海道支部奨励賞を受賞
 当研究所寒地基礎技術研究グループ寒地構造チームの研究員 佐藤 京は、本年2月2日〜3日に開催された土木学会北海道支部平成18年度年次技術研究発表会で発表した、下記の論文により奨励賞を受賞しましたのでここに紹介致します。

T部門 佐藤 京(共著者;池田隆明(飛島建設)、上明戸 昇(飛島建設)、石川博之(寒地土木研究所))
「構造物の被害と相関の高い被害指標の検討」

 本論文は、現在、寒地構造チームが取り組んでいる地震観測の即時情報を高度に利用した被害予測と防災対策計画に資する研究成果の一つであります。
 北海道には、北海道開発局などの機関で多くの地震観測局を設置しており、地震後直ちに地表面の揺れの大きさを把握することが可能となっております。これらは、地震後の二次災害防止や軽減を図る上で非常に有用なものです。一般に地震の揺れを表す指標として用いられているものに震度階級がありますが、1996年以降、自動観測による計測震度と土木構造物の被害との相関が高くない事例もあることが指摘されています。
 そこで、北海道の道路橋梁を対象とし、2003年十勝沖地震における地震観測記録と被害状況から、被害予測精度の高い指標の提案に向け、加速度、速度および応答スペクトルの指標が被害推定の対象とする構造物の固有周期を適切に考慮することで、地震被害と高い相関性を示すこと、各指標を安全管理指標として活用することが可能であることを明らかにしました。
 これまであまり報告されていなかった土木構造物の地震被害指標について、比較的簡易な手法により被害指標の設定が可能であることを示したことは、地震対策上の観点から非常に価値があり、地震後における橋梁等構造物の適切な被害予測や二次災害防止に大きく貢献するものと考えられます。

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