技術講演会の報告

石川上席研究員が「土木研究所講演会」で工法の紹介をしました
 去る10月10日(水)、東京虎ノ門の日本消防会館において平成19年度土木研究所講演会が開催されました。本講演会は、土木研究所で実施している調査研究の成果や最近の土木技術に関する話題・動向等について幅広く一般に紹介するもので、土木研究所のホームページに講演会のプログラムが紹介されています。
 寒地構造チームからは石川上席研究員が、「土研開発工法連続紹介」として、「コスト縮減に寄与する複合構造横断函渠工の設計と施工」と題し、当研究チームが開発した新工法の講演をしました。
 その要旨は次のとおりです:

 平地部の高規格幹線道路等において、長い延長にわたり盛土構造(ハイバンク)が続く場合、盛土量が膨大となり、建設コストに大きく影響します。そのため、当研究チームではそのコントロールポイントとなる交差道路の横断函渠工に着目し、従来の鉄筋コンクリート(RC)製の函渠工に比べ、盛土高を低く抑えることを可能とする「複合構造横断函渠工」を開発しました。
 この工法は、従前のRC製の頂版に替えて「鋼・コンクリート合成サンドイッチ頂版」を用い、頂版厚を薄くするとともに、頂版上の土被りを不要とすることにより、盛土高を 1m 程度低く抑えるものです。そして、その強度や疲労耐久性を検証するために各種載荷実験を実施するとともに、設計施工法の提案を行うほか、現場(帯広・広尾自道車道)での試験施工、さらには現場載荷試験等を行うことにより、設計や解析の妥当性を検証しました。
 なお、当試験施工の区間内において、従来工法と当工法とのコスト比較の試算を行ったところ、土工量の大幅な削減等により、 1km 当たり(直接工事費ベース)で約6千数百万円のコスト縮減という結果が得られました。



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