研究発表会参加の報告

石川上席研究員と安達研究員が第6回日韓橋梁維持管理共同セミナー(JSBM-6)に参加しました
 2007年11月8日から9日の日程で,第6回日韓橋梁維持管理共同セミナー(The 6th Korea-Japan Joint Seminar on Bridge Maintenance; JSBM-6)が韓国のヨンピョン(Yong Pyong)で開催され,寒地構造チームの石川上席研究員と安達研究員が参加しました。
 このセミナーは、橋梁の維持管理に関連する研究発表等を通じ、両国の大学関係者や技術者が知見や経験の共有を図ることにより、両国の橋梁工学技術の発展に寄与することを目的とするものです。


 研究発表は,ヘルスモニタリングと非破壊試験,設計技術,鋼橋とコンクリート橋,修復技術と合成構造の4セッションについて行われました。
当チームから参加した石川上席研究員と安達研究員は、下記に示すセッションで発表を行うとともに、石川上席研究員は、ジンジュ国立大学のHongseob OH先生と共にセッション「鋼橋とコンクリート橋」の司会を務めました。 2名の発表は、韓国側出席者との間で活発な質疑応答が行われ、北海道のような厳しい積雪寒冷地での疲労劣化特性あるいは寒地土木研究所で研究を進めている新技術について、出席者から関心を持っていただけたものと思われます。

 内外事情として、韓国の高速道路について紹介します。
 ソウル近郊のインチョン国際空港からはバスに乗って主に高速道路を走行し、4時間ほどかけて韓国東部にあるヨンピョンの会場へ向いました。韓国では車両は日本と逆の右側走行ですが、高速道路の構造は日本と非常によく似ており、案内標識の多くはハングルとともに英語表記がなされており、規制速度は概ね100km/hとなっていました。また、一部の料金所では日本でいうETCと思われるレーンもあり、車両がノンストップで通過していました。サービスエリアの形式も日本と類似しており、多数の利用者でにぎわっていました。
 橋梁についても、ポステンT桁橋と思われる上部形式がよく見かけられるなど、日本とよく似ているという印象を受けました。橋梁の設計方法は日本と類似しており、また残念ながら韓国でも過積載車両の問題等を抱えているとのことだったので、やはり、今回のような会議を通じ橋梁維持管理に係る幅広い情報の共有を図っていくことは重要であるという思いを持ちながら、帰国の途につきました。


○セッション「鋼橋とコンクリート橋」
   積雪寒冷地における鉄筋コンクリート床版の疲労耐久性;安達優研究員

  概要;
 厳しい積雪寒冷環境下にある北海道では、大型車両の活荷重に加え、凍害による床版の劣化が疲労損傷を加速させる大きな原因となっていること、凍害の影響を受けた既設床版から供試体を切り出して輪荷重走行試験を行った結果、これらの供試体は押し抜きせん断の破壊形態を示したこと、その疲労余寿命は劣化を受けていない基準供試体に比べて十数分の一から三十数分の一に低下することなどが明らかとなった。

○セッション「修復技術と合成構造」
 "Invited Lecture"
   複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料で上面増厚した鋼床版の水没環境下における挙動;石川博之上席研究員

  概要;
 日本における鋼床版の疲労損傷の事例や、複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料での上面増厚を考案した背景、その材料特性や工法の概要、これを水没環境下に置いて輪荷重走行試験を行った場合のひずみや間隙水圧などの挙動、さらにこれらから推察されるメカニズムなどについてのとりまとめ


なお,寒地土木研究所 平成20年1月号に詳細を掲載する予定です。 。

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共同セミナー会場

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石川上席研究員の発表状況             安達研究員の発表状況  
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韓国の高速道路(道路構造や標識類)        韓国の高速道路(橋梁やトンネル) 



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