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独立行政法人 土木研究所寒地基礎技術研究グループ
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研究内容と成果


平成28年度の寒地構造チームの業務内容を紹介します。
主要研究
  • 落石・岩盤崩壊対策手法に関する研究

     落石や岩盤崩壊の発生により、人命に直接的に関わるとともに、道路網が寸断されるなど地域生活に大きな影響を与えている。落石対策として各種落石防護工が設置されているが、設計で想定していない損傷・破壊形態の発生や現地落石条件等の変化への対応が困難であるという課題が指摘されている。
     本研究では、従来型の落石防護擁壁・柵類に着目し、耐衝撃挙動や保有性能を明らかにするとともに、性能評価手法や耐衝撃設計法について検討する。

  • 超過外力に対する道路橋のレジリエンス技術に関する研究

     南海トラフの巨大地震、首都直下地震等、人口及び資産が集中する地域で大規模地震発生の切迫性が指摘され、これらの地震や津波による道路橋の被害の防止・軽減対策は喫緊の国家的課題となっている。
     本研究では、東日本大震災における教訓を踏まえ、道路橋の耐震設計に関して、想定を超える事象に対する備えを考慮し、機能回復力(レジリエンス)を高める対策技術について検討する。

  • 構造物固有の凍害・複合劣化のメンテナンス技術に関する研究

     既設RC床版の疲労に加えて凍害等の影響による劣化損傷が補修・補強箇所の再劣化事例も含めて顕在化(詳細調査では、8割以上に凍害の影響)している。また、塩害やASR等の単独作用によるものとも異なる形態の劣化損傷が確認されている。RC床版の劣化損傷については、走行安全性のみならず、第三者被害防止の観点からも適切な対応が求められている。
     本研究では、既設橋梁の長寿命化に向けて、RC床版の劣化損傷特性を踏まえた、評価手法、対策(補修・補強・舗装等)技術について検討する。

重点研究
  • 既設部材への影響低減等に配慮した耐震補強技術に関する研究

     橋梁の耐震補強工事における多数の削孔は既設部材を傷める原因となることも懸念される。補強用鋼板や鉄筋の接合のための現場溶接は、現場条件によって施工や品質管理が困難であったり、母材の力学特性への影響から望ましくない場合がある。また、河川内のRC橋脚の耐震補強では、河川阻害率や自重増の軽減等の設計条件から断面寸法を変えない工法が求められる場合も多い。
     本研究では、施工性に配慮した既往の耐震補強技術の道路橋への適用性や、それら工法の耐震補強効果と品質の検証方法等について検討する。

  • ゴム支承の耐久性に係る品質確保のための評価手法に関する研究

     平成23年東北地方太平洋沖地震では、レベル2地震動に対して設計されたゴム支承に初めて破断や亀裂等の損傷が確認されたが、要因の一つとして考えられている耐久性の影響についてはまだ解明できていない。また、ゴム支承の経年劣化による損傷も実橋で確認されている事例があり、診断や措置について検討しておくことが喫緊の課題である。
     本研究では、ゴム支承の劣化要因とその現象解明の結果に基づいた耐久性の定量的評手法や損傷事例とその現象解明の結果に基づいた補修方法等について検討する。

基盤研究
  • 地震時における橋梁の衝突挙動に関する研究

     地震時に既設橋において、設計で衝突を想定していない部材が、部材同士の衝突によって大きく損傷している事例があり、補修補強に多大な時間・コストがかかっている。一方で、衝突が抵抗側に作用し落橋等の重大な損傷を免れたと考えられる事例も認められており、これを積極的に活用すれば耐震補強対策工を軽減できる可能性がある。道路橋示方書では、これらの衝突挙動は考慮されず、実務設計上の有用な知見がないのが現状である。
     本研究では、地震時の橋梁の衝突挙動を適切に考慮することが可能となるように、衝突時の部材の抵抗特性等について検討する。

  • ゴム支承の低温時における限界性能に関する研究

     ゴム支承は橋梁耐震性を確保するための重要な部材の一つである。ゴム支承は温度依存性を有し、寒暖差の大きな寒冷地では、橋梁の地震時挙動に影響を与える。既往地震でゴム支承の損傷・破断事例が確認され、H24道示において破壊形態の明確化、限界状態までの性能の担保が必要とされた。
     本研究では、寒冷地(低温下)においても、確実に橋梁耐震性を確保するため、免震支承の限界性能を検証するとともに、性能評価技術について検討する。

  • 橋梁ジョイント部の補修技術に関する研究

     雪寒環境下において、橋梁ジョイント本体の鋼材腐食劣化や除雪作業時の衝撃的荷重作用等による損傷とともに、周辺舗装等の損傷が発生している。また、ジョイント部の止水機能の低下による漏水が鋼桁端部や支承等の腐食、橋座部の凍塩害の原因となっている事例がみられる。
     本研究では、ジョイント部の劣化損傷特性を把握するとともに、それに応じた機能維持技術について検討する。

  • せん断補強による道路橋床版の長寿命化に関する研究

     雪寒環境下の道路橋床版には、大型車両による疲労、凍害、塩害、経年劣化などの要因により、層状剥離や押し抜きせん断破壊による陥没など、重大な損傷が発生している。床版の損傷は走行安全性の問題、跨線橋等においては第三者被害の発生も危惧される。増厚工法などがあるものの、死荷重の増加や、縦断高の変化に伴う施工の大規模化など課題も多い
     本研究では、道路橋床版の部分打替え等も考慮し、できるだけ重量・床版厚の変化のない対策技術について検討する。

  • 点検可能な漏水対策工に関する技術開発

     道内国道トンネルの約6割に漏水防止板が設置されているが、背面覆工の状況評価がなされていない。漏水防止板設置箇所の覆工には変状が生じないということはなく、既設トンネルの安全性の確保、長寿命化に向けて、対策技術が求められている。
     本研究では、漏水防止板設置個所の覆工の性能低下予測技術や点検技術等について検討する。

  • 適正な橋面排水処理による橋梁の長寿命化に関する研究

     道路橋において、RC床版の損傷が顕在化しているが、「疲労」に「水、凍害」の影響が加わると床版の破壊が数十倍の早さで進行することが明らかとなっている。安全で円滑な道路交通のため、RC床版の健全性の確保が重要であり、そのためには「水、凍害」の影響の排除が必要である。
     本研究では、既設RC床版の予防保全的維持管理に資するため、橋面排水処理技術について検討する。

発表論文
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